空気に感謝出来る実験
小学校教諭のY・Sです。
謹んで新年のお慶びを申し上げます。本年もブログをよろしくお願いいたします。
新学期が始まりました。1年のまとめの時期、子ども達の成長は,私たち教師の励みです。この1年間で伸びたところをおおいに褒めて,次の学年・学校に送り出したいものです。
さて,今年最初の記事は,「空気に感謝出来る実験」です。この実験は3年生の算数「重さ」と理科の「光を集めよう」という単元のコラボです。まず子ども達に重さの単位「g(グラム)」の概念を教え,身の回りのいろいろな物の重さを量りました。ちょうど理科で太陽の動きと気温の関係を学習したばかりなので,自然界の不思議さに子ども達が興味を持っているこの時期を逃さずにと思って次のような実験を行いました。
準備する物:0.1gまで量れるデジタル秤・ゴム風船(3L程度の容量)・セロハンテープ
まず,量りに裏返して丸めたセロテープをそっと貼ります。次に膨らませる前のゴム風船を乗せてその重さを確認し記録します。
セロテープと膨らませるまえのゴム風船を合わせた重さは,2.6gでした。次に風船をぱんぱんに膨らませて口を縛ります。(この段階で子ども達はもう興味津々です)そして,その風船をそっと秤の上に乗せます。そこで初めてセロテープの役割に子ども達は気付きます。そうです,「風船が飛んでしまわないためにセロテープを置いたんだ。」ということに。始めからすべて説明してしまうのでは子どもの思考力が育ちません。さて,秤はどんな数値を示しているでしょうか?(ここでも結果はすぐに見せずに予想させます)「2.6gよりも軽い」と考えた子ども達がこの段階では多かったようです。理由は空気は軽いから。風船といえばふわふわというイメージがまだこの時期の子ども達にはあるからでしょう。そこでいろいろと意見を出してもらった後で,結果を確認します。
風船を膨らませて秤に乗せた重さは「3.2g」でした。なんと「0.6g」も増えたのです。これには子ども達も驚きです。さて,何が「0.6g」分の重さなのでしょう?子ども達は口々に「空気だ!」と言います。そうです。空気に重さがあるということを初めて認識した子ども達の感動を想像してみてください。普段,何気なく吸っている空気も,重さがあり,それをちゃんと量ることができる。空気がなくなったらほとんどすべての生きものは,生きてはいけないのに空気に感謝している人がどれだけいるのだろうか。そういうことを話し合ったり,感想を出し合ったりしながら授業を終えました。きっと子ども達は,それぞれに空気や自然の神秘と有り難さを感じたに違いありません。
ところが,授業が終わってしばらくすると,実に不思議な現象が秤に表示されたのです!この続きは次回の記事で・・・。
と思いましたがここで書いておきます。風船の重さが「0.2g」増えたのです。つまり実験直後「3.2g」だった風船が「3.4g」になっていたのです。しかしそれについては詳しく触れませんでした。原因は始め暖かかった空気(呼気)が冷えて重くなったためです。
こんな簡単な実験から,普段何気なく見たり触れたりしている自然の不思議さが実感できるのですね。どうぞ,読者の皆さんも実験してみてください。
本年もよろしくお願いいたします。大変興味深い記事でした。なるほど、空気には重みがあり、冷えると重たくなるということがよく理解できました。子供たちの目も輝いていたのではないでしょうか。空気は見えないけど重みがある。そんな自然の不思議さを学ぶことが、自然への感謝にもつながると思いました。
返信削除山本さん,コメントありがとうございます。
返信削除「空気は見えないけれど重みがある」授業のまとめで使いたかった言葉です。
That says it all.
です。
空気の有り難さを私たちは日頃、考えているでしょうか。空気の存在を当たり前と思っている方がおおいのではないでしょうか。ほんの数秒、空気が失われたら私たちは生きていけません。「当たり前」これは不幸の呪文だそうです。広大な宇宙で生物が成育できる地球、そこに空気が存在しているおかげ、偶然でなく神からの贈りものであることを今一度、認識し感謝できるとよいですね!
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