2019年7月4日木曜日

すべての子供の神性を拝もう!− “縦に伸ばす”こと、“横に伸びる”こと–


  元高校教諭のK.Oです。

  去る1月、熊本教区における「幸せを運ぶ教育フォーラム」に出講させていただきました。その時、参加者から発達障害の子供をどのように指導したらよいでしょうかという質問がありました。近年、発達障害は小学校の低学年で増加傾向にあり障害の種類も様々ですが、授業中に動き回る、奇声を発する等、集団生活をすることに課題の多い症状をいいます。    

 すべての子供に「神の子」の神性が内在する

 私はまず子供の「神の子」の実相を祈ること、また聖経読誦等の三正行の実修をお勧めしました。参加者の中からは「子供の良いところを認めて、褒めて、引き出すことが大切である」とアドバイスをしてくださる方もいました。

 また昨今、発達障害とともに教育の問題として虐待の増加が報じられており、一昨年児童相談所の虐待相談件数は133千件にもなるといいます。何故、虐待に走るのか・・・。ある虐待防止の親の研修でによると、親のプライドや親の成育歴にも由来するそうです。“かくあらねばならない”という高い目標、親の過度の期待、理想と現実のギャップに困惑し、叱責、激怒、体罰へとエスカレートしているのです。

 
 悪しき現象の奥に、全ての子供に「神の子」の神性が内在することを、生長の家創始者・谷口雅春先生は説かれています。


  愛によって育てられる子供は健康に育つ、けれども愛とは執着することではない。愛は相の神性を拝むのである。愛は相手を弱き者としていたわることではないのである。相手を完全なものとして、其のまま放つのである。(『新版 光明法語』90頁 谷口雅春先生著)


  この「生長の家の教育」が光を放つ時です。今、求められている教育法です。最も大切なことは実相直視の指導-神性を拝むこと。一人ひとりが違ってよい、その児童の絶対価値を観ることなのです。


“横に伸びる”教育の強調を


 この子はこのままで「神の子」実相円満完全。このままで良いところを認めて褒めて引き出します。現象を見て、みんなと同じにこうでなければならないという考えを捨て、学力・成績に拘泥しない、競技の優勝にこだわらない指導。かけがえのない個性があることを信じるのです。

  縦方向の目標とともに、横方向に心を向けましょう。目標に向かって向上させる指導だけでなく、周囲に感謝し与えることを教える教育へ転換することが肝要です。 

  生長の家総裁・谷口雅宣先生は、「向上」の意味について、次のようにお説きくださっています。 
 
  つまり、本当の意味での「向上」とは、単に自分を規模や能力において“上に伸ばす”ことではなく、他者との関係で善性や倫理性が“横に伸びる”ことが伴わなくてはならないのである。現代社会では、どうも前者が強調され、称揚されてきたのに対し、後者がないがしろにされてきた感がする。(『凡庸の唄』51頁 谷口雅宣先生著)

  “縦に伸ばすことと“横に伸びる”ことのバランスが重要で、特に現代では前者の教育の偏重を是正し、後者の教育が強調されなければならないと考えます。この中に、発達障害・虐待等の現代教育の抱える諸問題を克服するカギがあると信じます。
                                                                              K.O
 

   
  
 

2019年3月7日木曜日

子供たちに平和の尊さを伝えよう!- “人間・神の子”、神性の表現から -


元高校教諭のK.O です。

昨年6月23日、沖縄で戦没者追悼式が行われ、中学生の相良倫子さんが「生きる」と題して自作の詩を朗読しました。「全ての人間が、国境を越え、人種を越え、宗教を越え、あらゆる利害を越えて、平和である世界を目指すこと。生きる事、命を大切にできることを、誰からも侵されない世界を創ること。平和を創造する努力を、厭わないことを。」世界平和を願う素晴らしい内容に感動しました。

今、子供たちに平和を語るとき

2016年より、高校生(18歳以上)にも選挙権が与えられ、地方・国の政治に参加することができるようになりました。昨今、憲法改正やそのための国民投票について、各政党の主義・主張や国会日程が報道されています。このような中で、子供たちに“平和の尊さ”と、そのために何が真実で何が大切かを、今、語るときであると思うのです。若い人が単に景気がよい、就職率がよいという目の前の利益で、政権を考え支持している傾向が高いと聞きます。世界と日本の平和のために、そして美しい地球のために重要なものは何かを。

小中高の学校現場で、また生命学園で平和を語る要点は以下のように考えます。①戦争はなぜ起るのか、その原因は?-プラトンの『国家』の中で、人間の「欲望」であると。②しからば「欲望」の統御こそが必要であり、他国から奪わない自然から奪わない生き方が求められる。自国も他国も大切に、そして自然をすべての生物・鉱物を大切にする生き方。③「倫理的な生活者」-エシカルライフスタイルの実践。「ノーミート、低炭素の食生活」、「省資源、低炭素の生活法」、「自然重視、低炭素の表現活動」-信仰を生活に実践する生き方。④また、「平和主義」や「信教の自由」等、「立憲主義」の大切なこと。子供たちに、平和と憲法について、年代に応じて分かりやすく説明していくことは、吾々大人の責務であると考えます。
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PBSの活動を通して

私達が地球環境を守り、世界平和を実現していくには、“人間・神の子”の内部理想の実現、神性の表現-それにより自らの人間の欲望を正しく統御することが大切です。そして、そのために倫理的な生活、PBSの活動を実践しています。

そのことを、総裁・谷口雅宣先生は、次のように示されています。  

地球生命の運命は、私たちの手中にある。言い換えれば、人類を含めた地球上のすべての生命の生活の場を、破壊するのか、維持し続けるかの判断は、私たち一人一人の毎日の選択に委ねられているのである。煩悩優先の生活ではなく、“倫理的な生活”――神性表現の生活が求められている理由が、ここにある。(機関誌『生長の家』2017年7月号7頁) 

 PBSの活動を具体的に実践している、中学校教諭の方は、SNI自転車部に所属し、部員の方々とクリーンサイクリングに参加しています。汚い道路がきれいになり喜びがあると語っています。また、SNIオーガニック菜園部にも入り、勤務校で生徒と畑づくりを通して、自然と一体の生き方を指導しているそうです。

“人間・神の子”は世界平和の基礎

平和な世界を実現していくためには、日本の平和が大切です。それには、日本国憲法の長所を理解することが肝要です。『“人間・神の子”は 立憲主義の基礎』8頁には、立憲主義について次のように説明しています。

  立憲主義とは「憲法によって権力を制限し、憲法を権力に遵守させる」ことです。

つまり、個人の基本的な人権を尊重し、それを権力から護るのが立憲主義の特徴なのです。

そして、19頁には“人間・神の子”は立憲主義の基礎であることについて述べています。 
  
 (前略)人間は神の“無限”の表現として、一人ひとりがかけがえのない絶対価値を持つ“神の子”だと考えます。だから、この“人間・神の子”の教えは、基本的人権が尊重されるべき根拠となるという意味で、立憲主義の基礎となるものだと言えるのです。

基本的人権の尊重は世界共通の理念となっていて、“人間・神の子”の教えは人類共通の理念の宗教的な基礎とも言えます。
人間・神の子”-神性の表現から、子供たちに平和の尊さについて分かりやすく伝えていきたいと考えます。
                                      K.O
 * project-based system  生長の家のプロジェクト型組織

2019年2月11日月曜日

「いいことノート」への取り組み③

みなさま、こんにちは。小学校教諭のMTです。
今回は、「いいことノート」に取り組んだ際に、保護者からいただいた感想を紹介します。


・学校での様子がよくわかり、毎日の配信が楽しみになっております。本人は毎日ノートを書く事で、お友達の良いところを発見できたり、してもらって嬉しいという感謝の気持ちがわかるそうです。書く事がしんどいと感じる事もあるようですが、嬉しい、よかったという事を考える事によって、嫌な事、悪かった事が減り、プラス思考につながるのかなと思いました。
・毎日、いい事がある事に気づけるのは幸せなことだなぁ。と、ほのぼのと読ませてもらっています。
・毎日、子供も一緒に読んでいます。お友達の、うれしかった気持ちなどを読むことで、人の気持ちにも思いを巡らすいい機会かなと思います。
1日の学校生活を振り返って、ポジティブな考えを意識することで、気持ちの持ち方がプラスの方向に自然と流れていくように思います。
・それぞれの良いことを楽しく拝見させてもらっています。また、送信いただいた内容から、話のきっかけともなりました。あれこれ話さない息子ですので、学校での様子を知らせていただくことは、とても有難いです。
・いいことノートについて娘は、クラスのみんなのいろいろな思いを知ることが出来て、勉強になると言っていました。メールが届くと一緒に読み、みんなのあたたかな気持ちにとても癒されています。今日のいいことを思い、明日につながる、素敵なノートに感謝しております。
・毎日、子どもたちがどんないいことに出会ったのかな…と楽しみに拝見しています。普段、見過ごしがちな可愛らしいいいことを読むと、ほほえましく元気をもらいます。
・子ども達のいいことと笑顔が毎日あること、とても嬉しく思います。いいこと探しは一日を振り返り見つめ直し、心がより豊かに成長していくいい機会であると思います。これからも楽しみにしています。
・『いいこと』配信を親子で楽しみにしています。『いいこと』をみつける『いい目』が養われているなぁと感心しました。私も家事の合間に(ノートは無しで)はじめたのですが、自然とふりかえりができて『今日もなんやかんやいって、いい1日だったなぁ』と気持ちが軽くなりました。でもついつい『今しか言えない小言』も出てしまうのですが・・・。バタバタな日々の私にとって『いいこと』配信は、我が子とのかかわりを考える、思い出す、きっかけになっています。
・毎日「いいこと」メールが届くのを楽しみにしています。私も「いいこと」を書いてみようかな。
・娘も配信されることを楽しみにしています。親子で一日の学校生活の振り返りもできるので有難いです。一見不都合なことでも、見方を変えたら、有難い、いいことだと気付きを頂けるよい機会。小学生のうちから、この訓練を自らつけていけることは素晴らしいと思います。

「いいことノート」を書くことの”よさ”をお家の方にもご理解いただけ、また、お家の方にも、良いことに目を向ける日時計主義の実践が広がっているようです。
たいへん有り難いことです。

さて次回は、子ども達に目を向けようと思います。