2018年11月18日日曜日

「いいことノート」への取り組み②

小学校教諭のM.Tです。

前回に引き続き、私が実践している「いいことノート」について紹介します。
今回は、実際に子どもたちが書いた”いいこと”を紹介します。

ある同じ日の「いいことノート」の内容です。
Aさん
・国際(英語)の学習、プレゼンの準備が進んだ。発表楽しみ!
・そうじでゴミが予想以上に取れた!
・音楽で細かいことが分かった。次は先生が、あっと驚く演奏をしたい!

Bさん
・比例と反比例のちがいが分かった
・音楽で、トゥルースをみんなで弾けた。良いところと悪いところが分かった。
・総合の学習で、くるくるショップのルールが半分決まった。
・国際が、結構すすんだ。
・そうじがんばるぞ~

Cさん
・弁当日
・先生バスケ参加
・金曜

私からは、「1日に3個は”いいこと”を書こうね。よ~く思い出したら、絶対3個ぐらいみつかるからね。」と伝えているので、みんな3個は書いてくれます。
内容は、見ての通り様々です。Cさんのように書いてくる時もあります。
そんなときも、「書いてくれることが有り難い」と思い、また、この”いいこと”を活かせないかと考えます。

その後、学級の子どもの”いいこと”を抜粋し、保護者に送るメールにまとめます。
この日、実際に送ったメールが次のものです。


保護者様
「今日のいいこと」を配信します。
・外で遊んだ。
・バスケ、先生参加。 ←さそってくれてありがとう。いい汗がかけました。
・総合でいっぱい発表した。 ←子どもたちが、現在の学級の目的である、「分別を習慣にしてもらう」を基準にして、「○○をする」「○○をしても意味がない」という発言をしていることに感心します。筋の通った話し合いができていますね。
・国際が結構すすんだ。
・総合2時間。
コーーンスーープ
・1年生からコーンスープをもらった。
・1年生ありがとう!
 ←なにかお返ししてあげたいですね。夏休み前からの企画を進めるときが来たかな。係さん、計画をお願いします。
・音楽で
トゥルースをみんなでひけた。良いところ、悪いところがわかった。
・音楽、細かいことがわかった! 次は先生をあっと驚く演奏をしたい! 
 ←その意気ですね。よりよい演奏をするために、自分の楽譜に気をつけることを書き込んでおくといいですよ。
・明日の準備ができる。そうじがんばるぞ~。
・そうじ、ゴミが予想以上に取れた。
 ←今日も、みんなのいい姿が見られました。本当によく働いてくれます。感謝です。
・弁当
うま
・月曜日に家庭科がある。
・月曜、洗たく物を洗う。
さて、明日はどんな“いいこと”が待っているのでしょうか。
楽しみです。
担任 MT



このようなことを、毎日行っています。
なんとなく、実際の取り組みの様子が伝わりましたでしょうか。

さて、次回は、この実践に取り組んだことで出てきた成果について報告します。

2018年11月7日水曜日

 みなさまこんにちは。小学校教員Y・Yです。
 今回は新たに赴任した学校でのささやかな体験をお伝えしようと思います。その学校は700名近くの児童数の学校で、今まで通り音楽専科として勤めることが決まり、喜びいっぱい赴任前の挨拶に春休みに行きました。そこで校長先生から意外なお話がありました。その学校には高学年に複数のADHDと診断された児童が数名いてそのうちの何名かがかなり勝手な行動をするためにその学級が崩壊状態になったと聞きました。
「先生が来てくれて良かった。もしも、何かあれば、我々管理職や担任を監視役として呼んで下さい。」
といわれ愕然としました。順風満帆で音楽好きの児童ばかり指導してきたので一気に今までにない不安を感じました。しかし、『この星で生きる』という本に次のように書かれていました。
「環境や職場、学校が変わった時など不安を感じるのが人間だが、そんな時こそ、これから素晴らしいこと、楽しいことが待ち受けていると心に決めてしまうのがいい。なぜならこの世界は"心でつくる"ものだから。」
この言葉に勇気づけられ、心をプラスの方向に向けることにしました。

 着任式の日、体育館の後の方でうろうろする背の高い児童が目にとまりました。フードを被り棒を持っていたA君でした。正直、驚き、「祈りしかない」と感じました。その日から必ず学校と子ども達全員の素晴らしさを祈るようにしました。

 授業の最初の日A君は遅れて音楽室に入ってきて席には座らずに音楽室の隅のキーボードのところに座りました。私はとりあえず別の児童に向け授業をし、終わってから「A君、弾くのが好き?」と聞くと、まんざらでもなさそうなので、「次の時間から、パート別の合唱の練習の時、音取り係をしてくれる?」聞くと「いいよ。弾いてやる。」と上から目線の答え。しかし、休み時間に弾き方を教えるとできそうだなと感じました。。次の時間、合唱のパート別練習で音取り係として上手にキーボードを弾くA君を見て他の児童が、「すごい。A君弾けるんだ。上手だね。」と口々に言うので私はうれしくなりました。授業の最後に「A君がみんなのために練習してくれたことは素晴らしいことだね。でもA君の努力を優しく認めほめてあげたみんなの姿も素晴らしく先生はうれしかった。友達の良いところを見つけるみんなは心がきれいなんだね。」と話すとみんながにこにこして暖かい雰囲気になりました。その後A君は始めと終わりの挨拶の和音も覚え、挨拶担当もするようになりました。音楽が楽しいと言って、誰よりも早く音楽室に来るようになりました。自分が人の役に立つことがうれしかったのだと感じました。

  一人一人の大切な命、無駄な命なんて一つもない。A君がいてくれたから学べる事もあるということが他の子ども達にも分かってもらえたようです。色々な個性を受け入れながら認め合い思いやる暖かい人間に成長していってもらいたいと思いました。無限にたてに伸びることは美しく素晴らしいことです。しかし、また、愛を持ってムスビの世界を展開していくことも美しく素晴らしいことだと思います。

2018年11月2日金曜日

「いいことノート」への取り組み①

みなさん、初めまして。
小学校教諭のM.Tです。

この度、『教員生活が楽しくなるブログ』に投稿する機会をいただくことになりました。
私が、日頃行っている実践や、何気なく思ったことなどをお伝えできればと考えています。
どうかよろしくお願いいたします。

さて、これから数回に分けて、私が実践している「いいことノート」について紹介します。

「いいことノート」は簡単に言うと、その日にあった「いいこと」を書くノートです。(そのままですね(笑))
私は、市販のB6サイズのノートを使用しています。

その方法は、
①子どもが帰りの会で、その日にあった“いいこと”をノートに書く
②子どもの書いた“いいこと”を抜粋し、いくつかコメントを加え、保護者にメールを配信する
③教室の黒板に、配信したものと同じものを印刷して掲示し、一言メッセージを添える
です。 

また、そのねらいは
①日時計主義の実践と習慣付け
 ・子どもが、今日1日の“できた自分”を確認する
 ・子どもが、”よいこと”に囲まれている自分に気づく
 ・子どもが、多くの「人」「もの」「こと」に支えられている自分に気づく
 ・子どもが、1日の終わりをプラスの評価で終え、翌日への意欲を高める
②子どもの自己肯定感、自己有用感を高める
③保護者と情報を共有する
です。

実際の取り組みの様子は、次回詳しく紹介します。
どうかお楽しみに。