2013年8月7日水曜日

先ず認めてあげると,問題児はない。

小学校教諭のY・Sです。

 今日は10年以上前の教え子との思い出を書きます。その子は今年もインターハイに出場しました。地元の新聞に写真付きで載っていたので,懐かしく,嬉しくその子のことを思い出しました。
 その子はいわゆる「問題児」で「LD」と「ADHD」の疑いがありましたが,私とのかかわりがきっかけでやる気を出した・・・ようであります。その子は,困ったことや嫌なことがあると,何かお経のようなものをぶつぶつと言って気味が悪いと前担任から申し送りがありました。ある日,放課後2人きりになったときにこんな会話がありました。

 

T:「さっきの授業中,何をぶつぶつ言っていたの?」
C:「観自在菩薩行深般若・・・。」
T:「それは般若心経だね。先生も言えるぞ。」
T:「色不異空 空不異色, 色即是  空 空即是色・・・
C:「え?何?何で知ってんの?」
T:「・・・掲諦掲諦波羅掲諦 波羅僧掲諦 菩提薩婆訶 般若心経   ~。」
C:「先生,僕先生に着いていきます。弟子にしてください!」
T:「真面目にやるか?」
C:「はい,やります!」

 それ以来,その子とは仲良くなりました。彼は本来の力を徐々に出し,その後得意な運動を中心に大活躍していきます。彼が「般若心経」を唱える理由は,おばあちゃんが「孫が勉強できるように」と毎日仏壇で唱えていたのを聞いていて覚えたからのようです。
 その子は元々記憶力もよく,その後学習面でもぐんぐん伸びていきました。一見マイナスや変わった言動と見えることも頭から否定せず,それを先ず認め理解してあげることで,子供は心を開いてくれるものだとその時実感しました。
 
 

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