2013年12月16日月曜日

表現力を磨くコツ

小学校教諭のY・Sです。
 今年も12月の中旬に入りました。まさに「師走」で忙しい時期ですが,あと一息,乗り切りましょう。
 

 さて,この時期はよく子供たちに「今年の思い出」や「来年の目標」を作文に書いてもらったり,短い標語にして教室に掲示したりします。でも,ただ書かせると「○○したことが楽しかったです。」「○○さんが○○をがんばってすごかったです。」「来年は○○をがんばりたいです。」といったありきたりな表現が多くなります。そこで私は一つ提案をします。「“がんばる”とか“すごい”とかいう言葉以外に気持ちを伝える言葉をさがそう。」と。
 「頑張る」「凄い」は「努力した」とか「飛びぬけて優れている」という意味が確かにありますが,どちらかというと「我を張る」「甚だしい・気味が悪い」という意味合いの方が強いことを具体例を揚げて説明します。高学年でこの話をしたとき,ある児童が,「なるほど。凄いという漢字はにすいに妻と書きますね。つまり,“氷のように冷たい奥さん”という意味ですね。」と発言し,「それは確かによくない言葉だ。」笑い声とともに友達から賛同を得ていました。
 こうした説明と提案をしてから文章を書かせると,子供たちは真剣に具体的な表現を考えるものです。例えば,「運動会では100m競争でもう少しで抜かれそうになったけど,がんばって最後まで全力で走りました。そしたら1位になったのですごかったです自分に自信がつきました。」など。
 

 最近はあまり細かいことを言うとそれこそ「うざい!」などと拒否反応を示す子供や親御さんが多くなったようですが,しっかりと教師側の意図を説明してあげると納得してそれに応えてくれるものです。

 
 

2 件のコメント :

  1. ありきたりな表現ではなく、その子なりの表現を考えることはとても大切ですよね。私は、日本教文社で雑誌記者をしてルポを書いていました。その時、先輩から、「形容詞を使うな」と言われました。きれいな、新しい、素晴らしい、とかいう言葉でごまかしてしまうなということでした。どのうにきれいなのか、どのように素晴らしいのか、どのように新しいのかを別の言葉で表現する訓練をしました。すると、不思議なことにその情景が浮かびあがってくるのです。小学生の時からこういう訓練をすると、感受性も磨かれ、心に突き刺さる言葉が自然と出てくるようになると思います。

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    1. 山本さん,コメントありがとうございます。「形容詞を使わない表現」なるほどと思いました。小学生は「形容詞」と説明しても判りませんので,具体例を挙げる必要があります。

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