2014年6月3日火曜日

怒らず(叱らず)にできる「感覚優先」の指導

小学校教諭のY・Sです。
 
 


 私の同僚に若いけどとても指導力のある先生がいます。その先生は決して大きな声を出して叱ったり,怒ったりしません。例えば,子ども達が騒いで先生の話を聞かないとき,「10数えるからその間に口を閉じなさい。10,9,8,あと5人,3,2,1,そうだ。それが静かに集中するということだ。いいね。」このような声かけを根気強くしていくうちに,子どもは集中して話を聞くということを“感覚的に”身に付けていきます。読者のみなさまの中にも,先生の長々と訳の分からない「お説教」に辟易したご経験があると思います。ものの道理を理屈で理解させることも教育的には必要なことです。しかし,子どもはたいてい「感覚」でものごとをとらえています。ですから,今,体感していることを「それが○○するということだよ。それは大切なことだ。」と教えてあげる方が効果が高いのです。
 幼い(小学校低・中学年くらい)子どもが落ち着きがないのは生命が躍動しているのですから当たり前のことです。それを統御し,集団生活・社会生活に必要な節度を身に付けさせるには,理屈ではなく感覚,言い換えれば「直感」で把握させることです。私は,子ども達が騒いで話を聞かない時にはよくこんな方法で集中させます。
 先生とじゃんけんをして勝った人から座りなさい。いいですか。でも,ただのじゃんけんではありませんよ。「後出し5じゃんけん」だ。(ここで既に騒ぐ子どもは半減しています。)グーは0です。パーは5です。じゃんけんぽんで先生が1から5の数を出すから次のぽんでみんなは足して5になる数を出す。ちゃんと5になった人が勝ちだ。分かった?では,いくよ。じゃんけんぽん,ぽん!「やったー!」すばらしい!勝った人は座って審判だ。いくよ,じゃんけんぽん,ぽん。・・・。30人学級なら全員が座るのにほんの1~2分です。その時すかさず言います。「ほら,みんな真剣になって静かに先生の話を聞いている。立派だね。やればできるね。それが“集中して話を聞く”ということだ。」と。
 この他にも,「目をつむって聞こえる音を3つ見つけてごらん。」とか,急いで静かにさせたいときは,指で数字を示しながら手を左右に振って「先生は今,指を何本出しているかな?」と問いかけるなどの手法もあります。いずれの場合も静かになったときに「すばらしい!それが話を聞く姿勢だ。」と子どもが今体感していることに価値付けをして褒めてあげることです。
 著作権はありませんので,どうぞ明日からでも実践してみてください。(笑)
 かの有名なアクションスターで武道家の「ブルース・リー」も言っています。
 Don't think. Feel! 「考えるんじゃない。感じるんだ!」
 

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